PFAS対策、進めて…いますよね >
日本国内でも、「有機フッ素化合物(PFAS)」の文字が新聞紙面に度々登場するようになってきました。国内でもPFAS規制の強化に向けた本格的な動きが始まってきたようですが、すでにPFASの自主規制を始めておられる食品業界の方々からすれば、「なにを今さら?」といった感じもあるのでしょうか。
PFASは、こびりつかないフライパンや汚れにくい衣服などなど、半世紀以上にわたって日常生活で使われている物質です。代表的なパーフルオロオクタン酸(PFOA)やパーフルオロオクタンスルホン酸(PFOS)をはじめ数1000種類もあるとされるPFASでは、強固なC-F結合の存在によって土壌や水中、廃水中、さらには腐食環境や高温環境といった過酷な環境下においても、何1000年にわたって分解されずに存在し続けます。PFASが「永遠の化学物質」と呼ばれるゆえんです。
比較的毒性がない物質と考えられてきたPFASですが、2000年代初頭には欧米においてPFASが広範囲にわたって環境を汚染させる物質だと認識され始めました。にもかかわらず、PFASが使われている靴や衣服、包装材、化粧品といった日常用品を介して、多くの人々がPFASに触れているのです。PFASが広範囲にわたって使われる精油所や飛行場などの施設では、PFASが飲料水に混入して人の体内に蓄積されて、以下のような悪影響を及ぼす可能性が高いことが、米国環境保護局(EPA)やEUの調査で判明してきています。
・妊婦が多量のPFASに接した場合の流産のリスク
・出産時に低出生体重児が生まれるリスク
・肝臓がんや腎臓がん、精巣がんにかかるリスク
・免疫応答機能低下のリスク
・ワクチン反応の低下や免疫毒性
・肺疾患のリスク
以上のように、PFASが有害な化学物質であることが明らかになってきていて、多くのPFAS化合物がすでに米国で使用廃止に、欧州では使用規制がなされています。
食品工場をみますと、テフロン®コーティングに代表されるフッ素樹脂コーティングは、その製造プロセスでPFOAを使用していて、フッ素樹脂製造工場では大気中および水中にPFOAが排出されているといわれます。PFOAはまた,調理器具などに被覆されたフッ素樹脂コーティング(テフロンコーティング)が数100℃以上に加熱される時に大気中に放出され、上述の人体への悪影響をもたらすこととなります。
当社ではこうした動向を踏まえて、早くからフッ素樹脂コーティングの代替として粉体などの滑り性を向上させる「マイクロディンプル処理®(MD 処理®)」の提案を進め、PFAS問題への自主対応を強力に進める食品業界において広く採用いただいております。
さらにこのほど、食品業界で実績のある非粘着・耐摩耗性を付与するYMM 製セラミックコーティング「Infinityシリーズ」の販売を開始しました。詳細はこちらです。
https://www.microdimple.co.jp/c/wp-content/uploads/2023/03/Infinity_Catalogue.pdf
PFAS対策として、フッ素樹脂コーティングからの早期の切り替えをぜひご検討ください。