温暖化 >

 暑い夏が始まって来ている。地球の温暖化が言われ始めて,結構な時間が経ったような気がする。古くは,宮沢賢治が二酸化炭素による温暖化に注目した作品を書いている。チョット前までは,温暖化懐疑論をまことしやかに語る「学者」や「評論家」がTV等を賑やかしていたが,流石に,最近では見られない。今,温暖化は加速度的に進んでいる事が実感される。問題は,予兆の段階では実感できず,実感してからは手遅れに近いという事だ。

 

 今,温暖化対策として,カーボンニュートラルやバイオ燃料,再エネ合成燃料がもてはやされている。正直言って,僕はそれらがよく理解できない,化石燃料であろうと循環型燃料であろうと燃焼されれば二酸化炭素は発生する。カーボンニュートラルにしても樹木等に固定化されてはじめて収支がゼロになる。アマゾンの森林破壊など生態系が破壊されている中でどれだけの二酸化炭素が固定化されのか? 折角,回収した二酸化炭素をまた大気に戻すのか? と言った疑問が頭をよぎる。

 

 必要なのは,限りなくエネルギー消費を低減させることであり,環境負荷を減らすことだという当たり前の努力であろう。他方,社会生活の維持のためには,エネルギー消費は不可避であり,問われているのは,いかに生産プロセスや製造物がエネルギー消費や環境負荷を小さくできるかだと思う。当社のMD処理は,生産プロセスにおいても製造物の目的においても,上記課題に対応できるものと自負している。

 

 ヘーゲルの『ミネルバの梟は迫り来る黄昏に飛び立つ』という有名な文章には,大きく,二つの解釈がある。一つは,哲学は結果解釈でしかないというものである,他方は,黄昏の中で新しい知恵が未来を切り開くというものである。地球の温暖化に対して,梟はどう飛び立つのか。